ネクタイの洗濯ガイド!洗濯方法から保管まで&クリーニングに出す基準
“ネクタイ”といえば、ビジネスマンの必須アイテムの一つです。
でも、常にVゾーンにあるネクタイは思った以上に汚れやすいです。
シワができてよれよれだったり、シミや食べこぼしが付いていたりすると目につきやすいもの。
スーツを格好良く着こなすには、いつもキレイな状態にしておくのが理想的ですよね。
しかしながら、ネクタイを自宅で洗濯したらシワになってしまった、色落ちしてしまったということはありませんか?
使用頻度が高い反面繊細な素材でできているものが多く、洗濯方法を誤ると大変なことになりかねません。
ここでは、ネクタイの洗濯から保管までの方法、クリーニングに出す基準などを合わせてご紹介していきます。
- ~ 目次 ~
- 1. ネクタイを洗濯するその前に! 色落ちテストをおこなう
- 2. ネクタイの自宅での洗い方~手洗い編~
- 3. ネクタイの自宅での洗い方~洗濯機編~
- 4. ネクタイをアイロンがけ&保管するポイント
- 5. ネクタイをクリーニングに出す基準とは?
- 6. まとめ
ネクタイを洗濯するその前に!色落ちテストをおこなう
ネクタイを洗濯するときに注意したいのが「色落ち」です。
他の衣類に色が移ってしまう可能性もあるため、自宅で洗濯する前には必ず色落ちテストをおこないましょう。
方法は簡単、二段階で色落ちするかどうかが判断できます。
1.ネクタイ(小剣)の裏側に使用する洗剤の原液を少々付けます。
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2.1分ほど置き、白い布で軽く揉みながら拭き取ります。このとき、色移りしていなければテスト合格です。
ネクタイの自宅での洗い方~手洗い編~
ネクタイを自宅で洗う際は、手洗いが望ましいでしょう。
というのも、手洗いは洗濯機で洗うのに比べてネクタイにかかる負担が少ないからです。
とはいえ、ネクタイを手洗いするにはちょっとしたコツが必要です。
ネクタイを手洗いするときの手順をみていきましょう。
必要なものを準備する
まずは必要なものを用意しましょう。
- 中性洗剤(おしゃれ着洗い用)
- 洗い桶(洗面器でOK)
- 綿素材の白い布(ハンカチでOK)
- 洗濯用ネット
シミ抜きをおこなう
シミが気になる場合は、ネクタイを洗う前に乾いた状態でシミ抜きをおこないます。
1.親指と人差し指を使い、シミの部分をやさしく揉みます。
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2.綿素材の白い布に中性洗剤を少し付け、ポンポンと軽く叩くようにシミを落としてください。
洗剤で落ちないシミの場合、かわりに「ベンジン」を用いるのも一つの手です。
ただし、生地によっては色落ちや脱色が起きてしまう可能性があるためデリケートな素材や高価なものには使わない方が良いでしょう。
ネクタイを洗う
1.30~40℃のお湯を張った洗面器に中性洗剤を入れてよく混ぜます。
※熱湯はネクタイの変形を招くため、ぬるま湯を使うようにしてください。洗濯表示を確認し、30℃以下の表示がある場合は30℃以下の水を使用。
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2.ネクタイを洗濯用ネットに入れ、全体を浸して5分程度置きます。
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3.その後、ネクタイをやさしく振るようにゆらし洗いします。
※生地を傷める可能性があるため、強く揉んだりゴシゴシ擦ったりするのは避けましょう。
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4.洗い終わったら洗剤が落ちるまですすぎを行います。
※生地への負担を抑えるため、すすぎも洗うときと同じ温度のお湯を使うのが望ましいです。
ネクタイの自宅での洗い方~洗濯機編~
ネクタイの骨組みとなる芯地は、強い圧力がかかると崩れてしまう恐れがあります。
そのため、自宅で洗う場合は手洗いが推奨されていますが、洗濯表示に洗濯可とあるものであれば洗濯機で洗うことも可能です。
手洗いの場合と同様、洗濯機で洗う前にネクタイを洗濯用ネットに入れましょう。
洗濯用ネットに入れることでネクタイへの水圧を和らげることができます。
極力生地にダメージを与えないためにも、「手洗いコース」や「ドライコース」「ソフトコース」などに設定して洗うことをお奨めします。
これらの機能は通常の洗濯コースよりも力加減がやさしいため、ネクタイの型崩れリスクを抑えることが可能です。
ネクタイの干し方&アイロンがけ~保管するポイント~
ネクタイを手洗いや洗濯機で洗ったら、あとは干すだけですが、洗濯後の工程もネクタイの仕上がりを左右します。
いくつか注意したいポイントがありますので、順を追ってみていきましょう。
ネクタイの干し方
ネクタイを干す前に用意しておきたいものが3つあります。
- 大きめのタオル
- 平干しネット
- ハンガー
続いて、干し方のポイントです。
【ネクタイの干し方】
ネクタイを洗濯ネットから出し、清潔なタオルの上に起きます。
ネクタイの形を整えてからタオルでくるみ、とんとんと軽く叩くように水気を吸い取ります。
干し方はハンガーにかける方法で問題ありませんが、セーターやニットを干すときに使う「平干しネット」があれば尚良いです。
ネクタイを半分に折った状態でネットに置き、陰干しで芯地までしっかりと乾かします。
この方法だと、ネクタイ全体が地面と平行になるため、まんべんなく乾かせますしネクタイが伸びてしまうのを防げます。
半日~1日程度干しておけば十分でしょう。
また、ネクタイを干すのに適しているのは、直射日光の当たらない風通しの良い場所です。
ただし、強い風が吹く場所は避けてください。
ネクタイのアイロンがけ方法
ネクタイをよりキレイに仕上げるためには、アイロンがけをおこなうことが大切です。
一般的なアイロンは「ドライアイロン」と呼ばれ、高熱を利用してシワを伸ばす仕組みになっており綿やポリエステルなどの合成繊維に向いています。
熱の影響を受けやすいネクタイのアイロンがけには、蒸気でシワを伸ばす「スチームアイロン」を使用しましょう。
【ネクタイにアイロンをかける方法】
1.スチームアイロンの温度を150~160℃の低温もしくは中温に設定してください。
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2.まずはシワの気になる部分を手で伸ばし、アイロン台の上に起きます。
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3.ネクタイの裏側からアイロンをかけていくのですが、必ず当て布(綿100%のもの)を当てるようにしましょう。
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4.表側も同じようにアイロンがけをおこない少しずつシワを伸ばしていきます。
アイロン表面をネクタイから1~2㎝浮かせた状態でスチームを当てると、ネクタイに厚みが出て仕上がりが良くなります。
ネクタイの保管方法とたたみ方
ネクタイの保管方法には「吊るす」「平置き」「丸める」の3種類が挙げられます。
吊るす保管方法は、収納スペースをとらず手間が少ないメリットを持つ反面、伸びてしまう可能性がある点がデメリットです。
平置きの保管方法は型崩れしにくいのがメリットですが、湿気でカビが発生しやすいというデメリットがあります。
ネクタイにとって最も理想的なのは、丸めて保管する方法です。
この方法だと、収納スペースも少なくできますし、ネクタイにかかる負担も小さくなります。
ネクタイの丸め方はとても簡単です。
ネクタイを二つ折りにし、二つ折りの部分と下側に人差し指を当てて内側にくるくると回していくだけ。
ふんわりとした状態で保管しておけるため、シワを防ぐこともできます。
ネクタイをクリーニングに出す基準とは?
使用したネクタイをクリーニングに出すかどうか、迷うときもありますよね。
ネクタイは「汚れたから他の衣類といっしょに洗濯機で洗う」というわけにはいきません。
ネクタイは一度型崩れすると元に戻すのが難しいのです。
ここまで紹介したのは、自宅で洗濯可能なネクタイの洗濯方法になります。
ネクタイを自宅で洗うかクリーニングに出すかの判断基準をまとめていきたいと思います。
ネクタイの洗濯表示が洗濯不可になっている
自宅で手洗いもしくは洗濯するか、クリーニングに出すかの基本的な基準となるのが「洗濯表示」です。
洗濯表示はスーツやワイシャツなど衣類全般に付いているものです。
ネクタイではタグの部分に表示があるので確認してください。
ネクタイの洗濯表示が「洗濯不可」「家庭での洗濯禁止」となっている場合、クリーニングに出すようにしましょう。
洗濯可の表示がある場合でも、「手洗い可」のものは手洗いするようにしてください。
「30」「40」「50」など水温の指定があるものは、数字以上の温度で洗わないように気を付けましょう。
「ドライクリーニング」「ウェットクリーニング」の洗濯表示は、クリーニングに出すときに役立ちます。
シルクや柄もののネクタイは洗濯NG
そもそも、ネクタイの素材によっては自宅での洗濯に不向きなものもあります。
ネクタイの素材はシルク(絹)やリネン(麻)、ウール(羊毛)などの天然素材とポリエステル、アセテート、レーヨンといった人工素材の2種類に分けられます。
このうち、特に注意したいのがシルクです。
人の肌と同じタンパク質の繊維から作られているため、シルク100%のネクタイは柔らかい肌触りが特徴的です。
しかし、シルクは繊細で水に弱い性質をもっており、羽毛立ちしやすい素材です。
そのため自宅での洗濯には向いていません。
シルクに限らず、高級ブランドのものはクリーニングに出した方が良いでしょう。
また、細かい刺繍やプリントが入った柄もののネクタイも洗濯に不向きです。
刺繍がほつれたりプリントが色落ちしたりする可能性があります。
頑固なシミや汚れが付着した
自宅のシミ抜きで落ちない頑固なシミや汚れを落とすには、特殊な薬剤や技術が必要です。
シミが付着してから時間が経過するにつれ、プロでも落とすのが難しくなります。
シミの目立つ部分だけ軽く拭き取り、早めにクリーニングに出すことをお奨めします。
毎日使うネクタイですから、汗ジミや垢などどうしても避けられない汚れがあります。
全体的な汚れを感じたときは、衣替えのときなどに衣類といっしょにクリーニングに出すのも一つの基準です。
クールビスの実施などで長期間使用しない場合は、保管する前にクリーニングに出しましょう。
あまり頻繁に洗うとシワやヨレが出てしまうため、3ヶ月に1回程度を目安としてください。
まとめ
ネクタイの洗濯方法を間違えると、最悪ネクタイがダメになってしまう可能性もあります。
特に、シルク100%などの高級ネクタイは注意が必要です。
ネクタイの洗い方は寿命そのものに影響するといっても過言ではありません。
色落ちや型崩れ、シワなどのリスクを抑えたいのであれば、クリーニングに出すのがベターです。