宅配クリーニングでまさかの苦情トラブル!解決法と対処の仕方
宅配クリーニングはネットで申し込んで自宅まで送ってもらえる、安くて便利なサービスです。その反面、苦情やトラブルも増えているのをご存じでしたか?
街のお店と違って、事前に衣類の確認を一緒にすることができないこともあり、利用する私たちも責任を持って出す必要があります。
トラブルを回避するために、どのような問題がおきているのかを知っておけば対処することができます。そこで、実際おきたトラブルの具体例、未然に防ぐ方法とおきた後の対処法をまとめました。
- ~ 目次 ~
- 1. 宅配クリーニングで起きているトラブル
- 2. 主なトラブル事例
- 3. 宅配クリーニングでトラブルがおきたときの対処法
- 4. トラブルを回避するためには
- 5. 価格の安さだけで選ばない。複数のお店を比較しよう
1. 宅配クリーニングで起きているトラブル
〇人気につれて苦情相談も増えている
国民生活センターの調査で、クリーニング全体の相談件数は、年々減少傾向です。対して、宅配クリーニングの相談件数は、2009年度の17件から2014年度には156件と9倍以上にもなっていて、急増しています。
出典:独立行政法人国民生活センターホームページ
宅配クリーニングは、CMやインターネット、SNSでのPRが増えてきたこともあって、特に30代、40代の女性から人気に火がつきました。反面、利用者が増えるとともにサービスの質が落ちたり、人手不足が起きたりと問題も増えています。
また、宅配サービスを請け負う配送業者とのあいだの問題も発生しています。
2. 主なトラブル事例
実際、海外ブランド製のコートを宅配クリーニングに出して色あせて、防水機能もほぼなくなって返ってきたという話もあります。
原因は、事前にお店に問い合わせをしなかったこと。仕上がりは料金に比例するので、それなりの価格帯のコースを選べば問題なかったのかもしれません。ほかにもこういった事例が報告されています。
〇紛失トラブル
保管サービスを利用し、引っ越しのため住所変更の連絡をしたところ預かっていないと言われた。業者が調べたところ紛失したことが発覚。その後の対応もずさん。
〇クリーニングの事故
ドライクリーニング不可の衣類にドライクリーニングを行ったため、衣類が棄損した。事業者の規約上、補償上限は1万円だった。
〇連絡がとれなくなる
紛失の件で電話で問い合わせたところ、自動音声でネットでの問合せを促されてホームページから問合せたが返信がない。
〇価格のトラブル
ワンピースの料金と思って依頼したところ、パーティードレス扱いになり、5倍以上の請求をされた。キャンセルを申し出たものの、応じてくれなかった。
○品質のトラブル
時間がかかった上に返送された衣類の汚れが落ちていなかった。苦情を言っても対応しない。
宅配クリーニングで起こったトラブルの事例が国民生活センターのホームページで公開されています。一般ユーザーの方の苦情やトラブルの書き込みを見かけることも。
中には悪質なお店もあるので、事前にネットでお店ごとのサービスや口コミを比較をしているサイトを事前にチェックしておくことが大切です。
3. 宅配クリーニングでトラブルがおきたときの対処法
では実際にこのようなトラブルがおきたとき、どうすればよいのでしょうか?まずは慌てず、冷静になって、一度状況を把握し、どこに問題があったかを確認し、その問題を時系列でメモに書き出しておくことです。
そしてなるべく早くお店にコンタクトをとって状況を伝えて対応を依頼すること。宅配クリーニングのお店によって規約や賠償基準も異なります。ホームページの情報をしっかり確認してから落ち着いて連絡をとりましょう。
〇こちらの状況と要望を明確に伝える
電話やメールで、お店のサポートセンターや宅配クリーニングの運営会社の本部に連絡をとりましょう。
原因の調査依頼をして、お店側に非がある場合は、弁償と返金をしてほしい旨をしっかりと伝えることが先決です。
また、原因が究明できない場合はクリーニングの研究所や組合が行っている「鑑定サービス」に出してもらい、科学的に分析してもらうこともできます。
全国クリーニング環境衛生同業者組合連合会「クリーニング事故品鑑定」
注意しなければいけない点は、品物受け取り後6ヶ月以内に申告をしなければ、お店は賠償責任を逃れること。早い段階で連絡を取るようにしましょう。電話だけでなくメールで連絡しておくと送信日付や、内容が残せます。
〇お店の賠償基準を確認する
店側のクリーニング処理のミスや紛失の場合は、基本的に『クリーニング事故賠償基準』をもとに補償しています。全国クリーニング環境衛生同業者組合連合会が主体で作成している基準書で、会社・顧客の双方が納得いくように公平に作られています。
この中に賠償額の計算方式があり、事故内容や状況にあわせて賠償金額が算出されます。ただ、会社によっては独自の基準を設けていて、その範囲内の賠償しかしない場合がありますのでまずは、お店のホームページの規約や約款を確認しましょう。
〇近くの消費者センターへ相談する
どちらの責任かはっきりしない、どうしても対応してもらえないなどの場合は、国民生活センターや、住んでいる地域にある消費生活センターに相談するのがベストです。
トラブル解決のための助言や、事業者への勧告、和解仲介などを行ってくれます。
4. トラブルを回避するためには
東京都クリーニング生活衛生同業組合のサイトには、クリーニングを利用する際にしておくと役に立つチェックポイントが紹介されています。その中から、宅配クリーニングでも活用できる項目があるのでご紹介します。
- 【出す前】
- ポケットの中を確認する
- しみや汚れの場所を確認する
- ほつれや破れがないかを確認する
脇の下、袖や衿など、見落としがちな所もよく確認しましょう。 - しみや汚れがある場合は、必ず場所と、何の汚れか?いつ付着したものか?など具体的に店員へ伝える
- スーツなど揃いの物は一緒に出す
- ベルトやフードなど付属品がある場合は、店員に伝える
- 初めて洗う品物は店員へ伝える
- ボタンや装飾品がポイントになる商品は取り外しておく
- 【返ってきた後】
- カバーを外さず収納・保管した場合は、変色等が起こる恐れがありますので、必ず外して、陰干しを行なってから収納しましょう。(ポリ包装カバーは、お店からご自宅までの汚れ防止が目的です。)
- 防虫剤・防湿剤・防カビ剤等を正しく利用する(※ラメ製品は防虫剤でラメ部分が消失することがありますので、注意しましょう)
〇出す前に服の状態を写真でとっておく
衣類のポケットの中やシミの確認など、検品とあわせてスマートフォンやカメラで写真をとっておくと安心です。できれば、シミの位置など業者にメールで添付して送っておくとお互い理解できて、作業もれがなくなります。
また紛失した時のために、なくなったものがどれなのか説明する場合にも役に立ちます。無事にもどってきたらデータは消せばいいだけですので、少しの手間で大きなトラブルを防げます。
〇その店で受け付けていない衣類をサイトで確認する
何でもクリーニングに出せると思っていませんか?洗濯表示とあわせてホームページの注意事項にしっかり目を通すことが必須です。
特に、高価な毛皮や、シルク、ウールなどの特別な素材がダメになってしまうトラブルもよくあります。装飾品がついていたり、海外ブランドの衣類もよく確認しましょう。
人気の宅配クリーニング店では、検品をしっかりしていますのでその段階で、連絡がある場合がありますが、そうでない場合はそのままクリーニングされることもあります。出さないことで回避できるトラブルもあることを覚えておきましょう。
〇万が一の損賠基準を確認する
ホームページに掲載されている規約や約款は必ず一読しておきましょう。もし何かおきた時にどのような対応をしてくれるのかで、会社の信用が分かります。賠償の基準が店に有利に作られた内容であれば、高価なものやお気に入りのものは出さない方がいいでしょう。
〇事前にお店に問い合わせる
クリーニングが可能かどうかサイトだけではわからなかったり、気になる点が少しでもあればお店に直接問い合わせましょう。フリーダイヤルを設けているお店もあります。今はメールやチャットで電車での移動時間や、ちょっと空いた時間に簡単にできます。
事前に問い合わせておくことで、お店側も心構えができます。また、スタッフの対応がどのようなものか分かりますので、そこで利用するかどうかの判断もできます。
5. 価格の安さだけで選ばない。複数のお店を比較しよう
お店任せでなく、自分でできることをしておけばトラブルが起きることはありません。万が一、起きたとしても店舗や業者に責任を追求できます。それでもやはり、起きないことが1番!なので、ネットで事前に口コミや評判を調べておくのが大切です。
【宅配クリーニングのトラブル回避のポイント】
•利用する前に比較サイトをみて、信頼できるお店をみつける
•実際つかう時には自分でも検品をして、写真やメモを残しておく
•返送されてきたときには、隅々まで衣類をチェックする