シルクにアイロンをかけても大丈夫?コツと注意点
上品な光沢とツヤ、柔らかい肌触りが特徴的なシルクは、とてもデリケートな素材です。 自宅で洗濯をするときには取扱いは慎重におこなうべきでしょう。
また、洗濯後にスカーフやネクタイなどシルクのアイテムをキレイに仕上げるためにアイロン掛けをしたい場合もありますよね。
でも、シルクにアイロンをかけても良いのか悩みませんか?
そこで、今回はシルクの衣類にアイロンをかける場合のコツと注意点を説明していきます。
シルクにアイロンをかけてもいいの?
シルクは蚕の繭からとったタンパク質が主成分の繊維からできています。 従って、綿や麻などと同じ天然繊維、羊毛と同じ動物繊維に分類されるのです。 高級感のある質感が魅力的なシルクですが、そもそもアイロンをかけても大丈夫なのでしょうか?
天然素材はポリエステルやナイロンなどの化学繊維とは異なり、シワになりやすい性質をもちます。中でもシルクは耐熱温度が低い素材です。
とはいえ「アイロンをかけてはいけない」ということはなく、温度とかけ方に気を付けさえすればアイロン掛けをすることができます。
シルクをアイロン掛けするときのかけ方と注意点
では、実際にシルク製品をアイロン掛けする際、どのような方法でかければよいのでしょうか。 注意点と併せてみていきましょう。
シルクのアイロンは低めの温度設定でおこなう
高温のアイロンをシルクに当ててしまうと、テカリや変色などが起きる可能性があります。 シルクにアイロン掛けをする際は、110~130℃の低温に設定してください。 製品によっては生地別に温度調節できるものもあるため、シルクに合わせておくと便利です。
シルクはシワになりやすい反面、頑固なシワができることは少ないためほとんどの場合が低温でも仕上がりを美しくすることができます。
当て布をして素早く仕上げる
シルクに直接アイロンが当たると生地への負担がかかりやすくなります。 綿のハンカチなどで当て布をしておくと良いでしょう。
繰り返し力を加えたり摩擦したりすると毛羽立ちする恐れがあるため、シルクのアイロン掛けはなるべくスピーディーにおこなうことを心がけます。
なるべく太い糸の方向に沿ってかけることがポイントです。
シルクにスチームアイロンを使う時は慎重に
シルクの生地は水滴で縮んだりシミになったりすることがあります。 そのため、蒸気でシワを伸ばすスチームアイロンの使用は推奨されていません。 同じ理由から霧吹きで濡らすことも望ましくありません。
シルクのアイロンではドライを使用し、シワがなかなか取れない場合は当て布に霧吹きをかけてからアイロンを当てるようにしましょう。
ドライアイロンがない場合は蒸気の量を減らした上でスチームアイロンをかけてください。
また、必ず水が清潔な状態か確認します。
アイロンのスチームは、アイロン禁止マークの付いた衣類の軽いシワを取るのにも有効です。
シルクのネクタイやスカーフにアイロンをかけるコツ
同じシルク製の衣類でも、アイテムによって特性が異なります。
アイロンのかけ方に失敗すると、せっかくのシルクが台無しになってしまうことも。
ここでは、ネクタイやスカーフにアイロンをかけるときのアイテムごとのコツをご紹介します。
シルクのネクタイは当て布をして蒸気を当てる
シルクのネクタイをアイロン掛けする際、アイロンを上から押さえ付けないように注意しましょう。 ネクタイに立体感をもたせるためには、当て布の上にアイロンが軽く触れた状態でかけるのがコツです。
ちょっとした工夫をおこなうだけで、ネクタイをよりふんわりと仕上げることができます。
1.ネクタイを裏返しにし、両端から菜箸や太めの針金を差し込んでからアイロンをかける
2.菜箸を差し込んだ状態で当て布の上からスチームを当てる
3.ネクタイの結び目など強いシワは蒸気を当てて指で揉み解す
この3ステップを加えるだけでネクタイの仕上がりがキレイになります。
また、毎回アイロンをかける必要はありません。 洗濯後ハンガーに吊るし、浴室に干しておくだけでシワが消えてくれるでしょう。
アイロンのかけ過ぎはシルクを傷める原因になるため、何本かのネクタイを交互に使用するのが理想的です。
シルクのスカーフは端までアイロン掛けしない
シルクのスカーフの仕上がりを良くするためには、生乾きの状態でアイロンをかけるのがポイントです。 完全に乾いてからアイロン掛けをおこなうと、細かなシワが付きやすくなってしまいます。
まずはスカーフを裏返しにし、ネクタイ同様当て布の上で浮かせるようにアイロンを動かします。
高級ブランドにみられる手縫いのスカーフは、端の折り返し部分をアイロンで押さえないように注意してください。ふんわりとした形が崩れてしまいます。
よほど強いシワでない限り、浴室の蒸気だけでシワを取り除くことが可能です。 入浴後、ネクタイなど他のシルク製品と一緒に浴室に干しておけばアイロンをかける必要がなくなるかもしれません。
まとめ
以上、シルクにアイロンをかけても大丈夫なのか、シルクの衣類にアイロンをかける場合のコツと注意点をご説明しました。
シルクの特性や弱点を理解し、温度や水、圧力などに気を付ければ自宅でアイロン掛けすることは十分可能です。
ただし、どうしても失敗したくないお気に入りのシルク製品のアイロン掛けや、アイロン掛けが苦手という人の場合はクリーニングに出すことが望ましいです。
衣替えの時期、他の衣類といっしょにクリーニングしてもらえば、洗濯の手間も省けて一石二鳥ですよ。