【洗濯マニア実践】ダウンジャケットを自宅で綺麗に洗う方法
コート類を自分で洗うようになって10年以上経ちますが、最初に洗った大物はダウンジャケットでした。
ダウンジャケットも自宅で洗える、ちょっとイメージは浮かびにくいかもしれませんが、表地に使用されていることの多いポリエステルは洗濯によるダメージを受けにくい素材ですし、中綿のダウンも水鳥の羽毛なので水に強く、実は比較的洗濯しやすいんですよ。
この記事の執筆者 ハナさん
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- ~ 目次 ~
- 1. ダウンジャケットの素材
- └ ポリエステルの特徴
- └ ダウンの特徴
- └ フェザーの特徴
- 2. 洗濯方法
- └ 汚れの確認
- └ 浮かない工夫
- └ 洗剤は中性!洗濯機の設定はウール用コース
- 3. リアルファーの洗濯には、実はシャンプーが最適
- └ 干す時は触らない
- └リアルファーの仕上げ
- └ ダウンジャケットの仕上げ
ダウンジャケットの素材
表・裏布:ポリエステル100%
中わた:ダウン80%、フェザー20%
ダウンとフェザーの分量は種類によって変わりますが、だいたい上記に近い表示になっていると思います。
ポリエステルの特徴
ペットボトルと同じポリエチレンテレフタレートという樹脂を糸状にした素材で、価格も安価でシワになりくく、加工しやすいため大量生産にも向いています。
ウールやカシミヤと違ってデリケートな素材ではないので、表地がポリエステルであれば洗濯機で洗っても問題はないと思っています。
【メリット】
●シワが付きにくい
●素材として強い
●原料から衣類に加工しやすい素材になるため大量生産に向いており、価格も安価
【デメリット】
●毛玉が発生しやすい
●静電気が起きやすい
●再汚染の懸念がある
再汚染とは、洗濯中に落とした汚れが再び付着することをいいます。ポリエステルのシャツを洗うと黒ずんでしまった、という経験のある方は、まず再汚染を疑ってください。ポリエステルを洗う場合のセオリーとして、酷い汚れのついた衣類とは別で洗う、というのを徹底すると安心です。
もし再汚染してしまっても、場合によっては酸素系漂白剤を使うことで汚れが落ちる可能性もあります。
ダウンの特徴
水鳥の胸周辺にある羽毛で、綿毛のようにフワフワとした触り心地。とても軽くて暖かく、吸湿・発散性にも優れています。ダウンの使用率が多ければ多いほど、暖かくて軽い衣類に仕上がります。
フェザーの特徴
水鳥の翼にある羽根の部分で、たんぽぽの綿毛のようなダウンとは違い、中心には芯があります。ダウンを使用した衣類には型崩れを防ぐために一定量のフェザーを混ぜるのが一般的とされているのですが、コートの下に着るようなインナーには使用されないこともあります。
洗濯方法
ダウンジャケットの洗濯絵表示
最近は洗えるダウンジャケットが多くなってきてはいますが、それでも水洗い不可・塩素系漂白剤不可・アイロン不可・ドライクリーニング可、という表示がほとんどです。
上の表示の場合、本来であればクリーニングに出さないといけない衣類に分類されるのですが、ポリエステルはデリケートな衣類ではないので、表地がポリエステルなら水洗い不可の表示があっても洗濯可能だと判断して洗っています。
※洗濯絵表示に水洗い不可となっている場合は、あくまでも自己責任でお願いいたします。
汚れの確認
全体像で見ると、あまり汚れていないように思えますが・・
エリや裾に黒ずみ、座面には座りジワがくっきりとあります。
黒ずみや汚れがある場合、あらかじめ予備洗いをしておきましょう。
おしゃれ着用洗剤の原液を使ってもいいのですが、染み付いてしまった汚れは落としにくいので、黒ずみに強いウタマロ石鹸で洗うと素早く綺麗に洗えます。
ウタマロ石鹸には蛍光剤が入っているので、洗う素材によっては色が抜けたように見える場合があります。もし心配な素材を洗濯する時は、まず目立たないところでテスト(試し洗い)しておきましょう。
洗う素材を水につけて、ウタマロ石鹸をすり込みます。洗濯ブラシでこすり洗いし、目立つ汚れを取り除いていきましょう。この際、洗い流す必要はありません。
今回のジャケットにはリアルファーがついていたので、取り外しておきます。
リアルファーはとてもデリケートな素材なので、個別に洗わなければいけません。もし外せないタイプだった場合、残念ながら自宅でノーダメージの洗濯は困難を極めるため、プロに任せるのが賢明です。
ファスナーやボタンはすべて閉じ、汚れの目立つ面が表に向くようにジャケットを畳みます。その際、ジャケット自体の裏表は、どちらでもかまいません。
浮かない工夫
今回は洗濯機を使用しますが、そのままダウンジャケットを洗濯機に入れてしまうとダウンが浮いてしまうので、ムラなく洗うのは難しくなります。畳んだジャケットをバスタオルやタオルケットで包み、タオルを重石代わりにして洗いましょう。ダウンジャケットをタオルケットで包んだら、ネットに入れます。
この時に使用する洗濯ネットは、できるだけ目の粗いものを選びましょう。どうしてもタオルケットなどで包むと汚れ落ちが悪くなるので、液剤が浸透しやすくなるように、という理由から目の粗い洗濯ネットが好ましいのです。
洗剤は中性!洗濯機の設定はウール用コース
洗剤は、おしゃれ着用などの中性洗剤を選びます。漂白剤や蛍光剤はダウンにダメージを与える危険性があるので、それらが入っていない洗剤を選んでください。
エマールやアクロンなどのおしゃれ着用洗剤には、どちらも入っていないため安心です。おしゃれ着用洗剤にはあらかじめ柔軟成分が入っているので、本来なら柔軟剤は必要ありませんが、香りをつけたい、静電気を防ぎたいなど、お好みで使用してください。
ただし、柔軟剤は油膜で繊維をコーティングするため、繊維の滑りをよくする効果があります。ダウンは油と相性が悪く、柔軟剤を使いすぎるとダウンのふわっとした質感や保温性が失われてしまうので、容量は必ず守りましょう(多くの人が使いすぎる傾向にあるので、特に注意が必要です)。
洗濯機の設定は、ダウンジャケットならウール用コースを、ロングコートなら大物洗い用のコースが適切かと思います。もし細かく設定できるなら、脱水は2分程度が理想ですね。
リアルファーの洗濯には、実はシャンプーが最適
リアルファーを洗う時にオススメの洗剤は人間用のシャンプーとリンス(コンディショナー)です。それはリアルファーの毛質が人間の髪の毛と構造が似ているから、というのが理由になるのですが、その際のシャンプーは、ノンシリコンではないほうが滑りがよく、フワフワが持続するので、おすすめです。
水にリアルファーを沈めたら、手で泡立てたシャンプーで洗い、よくすすぎます。イメージとしては頭を洗う感覚で、優しく洗ってください。人間の髪の毛と同じように、リンスやコンディショナーも使います。
リアルファーを洗う時は、できる限り優しく、摩擦を起こさないように洗います。そして洗い終わったら、髪の毛を乾かすようにタオルドライ。
干す時は触らない
ダウンもリアルファーも濡れた状態では切れやすく、とてもデリケートです。なので、なるべく乾くまでは触らないようにしましょう。
干し方はハンガーにかけ、釣り干の陰干しです。
完全に乾くまで2日ほどかかるので、外に干す場合は翌日の天気予報もチェックしておきましょう。
リアルファーの仕上げ
完全に乾いたら仕上げの工程に入るのですが、アイロンを使うことで、よりフワフワにすることができます。
アイロンのスチームショットを活用し、蒸気を当てて毛を起こします。
リアルファーにアイロンが直接つかないように、すこし浮かせながら蒸気をかけていきましょう。
ざっと全体に蒸気をかけたら、空気を含ませるイメージでリアルファーを前後左右に振り回してください。
これだけで、驚くほどフワフワになります。
ダウンジャケットの仕上げ
座りジワなどは洗濯だけではとれないので、ここにも軽くアイロンを当てていきます。
洗濯絵表示ではアイロン不可となっていたのですが、低温でサッと素早くかけていきます。
衣類の片方を洗濯バサミなどでアイロン台に固定し、もう片方を手で浮かすような体勢で素早くアイロンをかけると失敗なく綺麗に仕上がります。
このように片方を浮かすようにアイロンをかけると、2層になっていたり分厚かったりアイロンが難しい素材でも余計な力が入らず上手にアイロンがけができます。
綺麗にシワが伸びて光沢も出ました。
ダウンジャケットなどに使われているポリエステルは、比較的シワができにくい素材になっているので、アイロンが不要なことも多いですが、表地の素材が綿やウールの場合はアイロンワークが複雑になるため、もし不安な時はプロのクリーニング店に任せるのが安心です。
綺麗にスッキリ洗うことができました。
黒ずみも落ちました。
以上、洗濯完了です。ご活用いただけますと幸いです。
この記事の執筆者 ハナさん
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