3歳の七五三の着物について解説!用意するものもチェックを
子どもの健やかな成長を願い行われる行事の1つが七五三です。
一般的には3歳の七五三は女の子のお祝いですが、地域によっては男の子も3歳で七五三のお祝いを行うところがありますね。
子どもにとって、和装をまとう初めての機会になることが多い3歳の七五三。
ちょっぴり緊張する行事ですが、事前準備をしっかりと行い、親が余裕を持つことが子どもの安心につながります。
- ~ 目次 ~
- 1. 髪置の儀が由来となる3歳の七五三
- 2. 締め付けがゆるい「被布」を着るのが一般的
- 3. 男の子で袴をつけるなら「行燈袴」がおすすめ
- 4. 志古貴(しごき)や兵児帯(へこおび)で結ぶことで負担が減る
- 5. 半襟や重ね襟でおしゃれを楽しんで
- 6. 女の子は巾着や髪飾りも準備しよう
- 7. 保管前にはクリーニングを
- 8. まとめ
髪置の儀が由来となる3歳の七五三
3歳の七五三は、平安時代に行われていた行事の1つ「髪置の儀」(かみおきのぎ)が由来となっています。
当時3歳くらいまでは男女とも頭髪を剃る坊主頭で過ごし、3歳の春から髪を伸ばし始めました。
この髪を伸ばし始める儀式として行われたのが「髪置の儀」です。
締め付けがゆるい「被布」を着るのが一般的
3歳の七五三は女の子のお祝いとして知られていますが、男の子でもお祝いを行う地域もあります。
女の子の場合は祝い着とよばれる着物に被布(ひふ)を重ねるスタイルが一般的です。
一方、男の子は被布を重ねるスタイルと袴姿に分かれます。
被布は着物の上に重ねる羽織物の1つで、洋装のベストに似た形をしています。
3歳頃の子どもはまだ体格がしっかりとしておらず、着物を着付ける際に帯を結ぶのは大変です。
またじっとしていることも難しく、帯できつく締められることも嫌います。
そのため、一般的には帯を使わず腰ひもや兵児帯(へこおび)などを使います。
このままでは見た目が悪いため、被布を重ねて隠すのです。
被布を重ねて着るのは幼い頃だけなので、現代では3歳の七五三を除けばその機会はあまりないでしょう。
このため、女の子だけではなく3歳の七五三を行う男の子も、被布を重ねるスタイルが選ばれることは多くあります。
被布を着る場合に必要となるのは、肌襦袢、長襦袢、祝い着(着物)、被布です。
着物を着付ける時には、腰ひもや兵児帯といった小物が必要です。
男の子で袴をつけるなら「行燈袴」がおすすめ
3歳の男の子でも羽織袴姿をと考える方もいるでしょう。
この場合は被布ではなく袴と羽織、角帯が必要となります。
また懐剣やお守り扇といった装飾性のある小物類も準備するとよいですね。
袴には大きく分けるとズボンのような「乗馬袴」と、スカートのような「行燈袴」があります。
3歳で羽織袴姿を選ぶ場合は、行燈袴を選ぶと歩きやすくトイレも楽です。
乗馬袴だとトイレのたびに一度袴を脱がせる必要があるため、再び着付けるのは大変ですが、行燈袴ならスカートのようにまくり上げるだけでトイレを済ませられるためです。
志古貴(しごき)や兵児帯(へこおび)で結ぶことで負担が減る
被布を重ねるタイプの着物を選ぶ場合、着付けは腰ひものみでも行えますが、子どもの体にかかる負担を考えると「志古貴」(しごき)や「兵児帯」(へこおび)を利用する方がよいでしょう。
腰ひもに比べると幅が広く、柔らかな素材なので着物を着た時の苦しさが感じにくいのです。
女の子の場合は、7歳の七五三で着物を着る時に志古貴を使います。
兵児帯は浴衣を着る時にも使えるため、無駄になることはないでしょう。
半襟や重ね襟でおしゃれを楽しんで
首元はどうしても汗をかきやすいため、襟周りは汚れやすい部分です。
着物を着る時には、この襟周りに汚れ避けとして長襦袢の襟元には半襟を縫い付けます。さらに祝い着に重ね襟を縫い付けることで、着物を数枚重ねて着ているように見せます。
男の子は白の半襟を使うことが多いですが、女の子の場合は刺しゅう入りなど華やかなものを選ぶことが多いですよ。
重ね襟については男の子の場合はあまり使いません。
半襟や重ね襟の色合いを上手く利用すると、着物姿がより一層華やかに見えます。
女の子は巾着や髪飾りも準備しよう
七五三のために髪を伸ばすという女の子も多くいます。
3歳では日本髪を結うのは難しいかもしれませんが、軽くまとめて髪飾りをつけると、華やかで愛らしく仕上がります。
本来は手荷物を入れる目的を持つ巾着も、着物のコーディネイトの1つとして取り入れることが多くなります。
また足袋や草履も、着物の色合いに合わせて選ぶと華やかです。
3歳の男の子の場合は、あまり手に物を持つことはありませんが、何か持つなら羽織袴であれば扇を、被布を重ねて着るなら巾着がおすすめです。
男の子の足袋や草履は基本的には白となります。
保管前にはクリーニングを
3歳の七五三の晴れ着姿は、あどけなさを感じます。
周りの人が色々気を付けていても、ふと気が付けば汚れが付いてしまっていることも多いですよね。
着物は家庭で気軽に洗えるものではありませんので、汚れが付いてしまった場合は着物専門のクリーニングに出すとよいでしょう。
また3歳位の子どもは汗かきです。
見た目にはあまり汚れがなくても、汗がにじんでしまっていることが多いため、陰干しをしただけで保管すると汗じみができてしまうかもしれません。
保管前にはクリーニングに出すと安心ですね。
まとめ
着物を着る時には、着物以外にも色々なものが必要になります。
着付けを行う時に不足がないよう準備しておきましょう。
また思い出をきれいな状態で残すためにも、保管前には着物専門のクリーニング店でお手入れをしましょう。