アイロンマークちゃんと理解してる!? マークに沿った正しいアイロン方法
洗濯物をキレイに仕上げるのに欠かせないのがアイロンがけです。 サッとかけるだけの簡単な作業に思えますが、失敗するとシワや跡が付いてしまうことがあります。
上手くアイロンがけをおこなうためには、それぞれの衣類に表示されている「アイロンマーク」に従うことが大切です。
そこで、今回はアイロンマークの意味や読み方、マークや素材別の正しいアイロン方法をご紹介していきます!
アイロンマークの読み方を解説!高・中・低の意味とは?
アイロンマークというのは、洗濯表示の一種でワイシャツやジャケット、スカートなど衣類や生地によって異なります。 アイロンマークには新・旧とで絵柄に違いがあるため、どちらも理解しておく必要があるでしょう。
アイロンマークは2016年12月から新しくなった
アイロンをかけるときの“かけ方”を表示するのがアイロンマークです。
家庭用品品質表示法に基づく繊維製品品質表示規程の改正にともない、2016年12月1日より洗濯表示が変更になりました。
従来の洗濯表示はJIS、新しくなった洗濯表示は新JISと呼ばれています。
アイロンマークも新JISに沿ったものとなり、2016年11月30日までのものと区別されています。
旧アイロンマークは低・中・高で表示される
2016年11月30日までに製造完了、販売された製品についているのが旧アイロンマークです。 アイロンの適正温度によって高・中・低で表し、アイロンの図柄の中にいずれかの文字が記入されています。
「高」の記号は180~210℃の高温でアイロンをかけることを意味しています。 ただし、210℃が限度とされています。
「中」の記号は140~160℃の中程度の温度を推奨しているものです。 アイロンは160℃を限度とします。
「低」の記号は80~120℃の低温を意味しており、アイロンの温度は120℃までが限界です。
また、アイロンの下に「~(波線)」が付いている場合、当て布が必要という意味になります。
新アイロンマークは点の数で表示される
新しいアイロンマークには高・中・低の文字は描かれていません。 3つの漢字を用いる代わりに「・(点)」でアイロンがけの仕方が表示されています。
「・・・」の記号は旧マークの“高”に相当し、底面温度200℃を限度としてアイロン仕上げができることを表しています。
「・・」の記号は“中”に相当し、底面温度150℃を限度という意味です。
「・」の記号は“低”に相当し、底面温度110℃を限度としてアイロン仕上げができますが、スチームアイロンは推奨されていません。
従って、新JISでは点の数がアイロンの温度を指しています。
新・旧に共通するのはアイロン禁止マーク
新旧どちらのアイロンマークにもあるのがアイロン禁止マークです。 アイロンの絵柄にバツ印が描かれたマークで、アイロン仕上げができないことを表しています。
アイロンマーク別のアイロンの掛け方について
アイロンマークではアイロンの温度を読み取ることができますが、アイロンを掛けるときは温度以外にも気を付けたい点がいくつかあります。
ここでは、アイロンマーク別のアイロンの掛け方をご説明します。
低温マークは一番低い温度から
「・」や「低」の表示がある衣類はデリケートな素材がほとんどです。 一番低い温度に設定してからアイロンを掛けるようにすれば、衣類に誤って高温を当ててしまうことを防げます。
また、当て布をしておくと安心です。 低温を好む素材は水分に弱い傾向にあるため、スチームは使用せずドライアイロンで仕上げましょう。
中温マークは短時間で済ませる
「・・」や「中」の表示は動物繊維が使用された生地に多いため、失敗するとテカリが出たり溶けたりすることがあります。 低温マーク同様アイロンの影響を受けやすいと考えておきましょう。
アイロンの熱に長時間さらされることでダメージを受ける可能性があるため、当て布をして短時間で済ませることがポイントです。
高温マークはスチームでシワを伸ばす
「・・・」や「高」のアイロンマークは丈夫な素材に付いているものです。 シワがつきやすく取れにくい傾向にあるため、アイロンの熱に加えスチームの蒸気を利用することでシワが伸びやすくなります。
プラスアルファで霧吹きを使えば、より仕上がりを良くすることができます。
アイロン禁止マークは浮かしがけをする
アイロン禁止マークの付いた衣類はアイロンがけができませんが、アイロンを直接当てない「浮かしがけ」で対応することが可能です。
生地から1㎝程度離して、衣類全体にスチームをかけるだけという簡単なもの。 蒸気をたっぷり含ませて完全に乾かせば、自然とシワが伸びてくれるでしょう。
素材別!アイロンをかける温度や当て布の素材
アイロンをかけるときは、基本的にアイロンマークに従って温度に気を付ければ問題ありません。 しかしながら、古い衣類で洗濯表示が擦れてしまって読めない、タグを切り取ってしまい洗濯表示がないなどの場合があるかもしれません。
そんなときにアイロン掛けの基準となるのが“素材”です。
高温でかけていいのは綿や麻のみ
綿や麻などの植物繊維を用いた素材であれば、180~210℃の高温でアイロンを掛けても良いです。
毛(ウール)や絹(シルク)、レーヨン、カシミヤ、キュプラ、ポリエステル、ナイロンなどの動物繊維や化学繊維、再生繊維などは140~160℃の中温が適しています。
また、アクリルやポリウレタン、アセテートなど一部の化学繊維は80~120℃の低温でアイロンがけすることが推奨されています。
当て布は綿の白いハンカチがベター
中温や低温でアイロンを掛ける生地においては、当て布をすることが望ましいです。 デリケートな素材も多いため、最初は低温で様子をみることでダメージを防げます。 また、当て布は黒い衣類のテカリ防止やプリント部分の焦げ予防などにも役立つでしょう。
当て布に向いている素材は綿100%です。 白くて薄い生地のハンカチやタオルなどがベター。 ホームセンターなどでアイロン専用の当て布を購入しても良いです。
まとめ
以上がアイロンマークの意味や読み方、マークや素材別の正しいアイロン方法です。
大切な衣類を長くキレイに着用するために必要なアイロンがけですが、失敗しては元も子もありません。 マークに沿ってアイロンをかけることが何よりも大切です。